ロッテ“お祭り男”今江打で貴重な先勝
「CSファーストS・第1戦、日本ハム3-9ロッテ」(10日、札幌ドーム)
最大の難敵を退けたのは、お祭り男だった。1点を追う二回1死満塁。ロッテ・今江は159キロの直球を完璧に左中間へはじき返した。走者一掃の適時二塁打が大谷攻略への号砲となり、ファイナルS進出に王手をかけた。
マウンドの21歳を見て感じた。「緊張しているように感じましたね。真っすぐが抜けてるのかなと思った」。今江は日本一に輝いた05、10年と、いずれも日本シリーズでMVPを獲得した短期決戦の申し子。対大谷には2試合連続完封負けを喫するなど天敵と言っていい存在だったが、「レギュラーシーズンとは別物」と割り切り、天性の思い切りの良さで粉砕した。
今季シーズン中にはなかった8番打者。首脳陣が前夜にスタメンを思案中、8番がなかなか決まらなかった。立花打撃コーチの発案で、終盤は調子を落としつつあったが、短期決戦に強い今江を配置。三、四回ともにチャンスが回り、指揮官は「打つべき人が打ってくれた」とうなずいた。
勢いに乗ると手が付けられないほどの驚異的な集中力を発揮するのが、伝統的なチームカラー。「われわれは失うものはない。チャレンジャー精神を持って目いっぱい戦う」と指揮官。シーズン3位から堂々と頂点を狙いに行く。