大商大・吉持が62盗塁 連盟記録へ3
「関西六大学野球、大商大12-大経大」(12日、南港中央)
大商大が大経大を下し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。ドラフト上位候補の吉持亮汰内野手(4年・広陵)は3盗塁を決めて通算62盗塁とし、藤田吉男(86年・京産大)が持つ連盟記録の65盗塁を視界に捉えた。さらに九回にはリーグ戦初登板を果たし、最速144キロの直球で1回を無安打無失点に抑えた。大院大は2試合連続の完封勝ちで神院大を下し、勝ち点をマークした。
どんなに警戒されてもひるまなかった。吉持に飛んだけん制球は計12球。それでも敢然とスタートを切った。3打席連続で一塁に出塁し、すべて二盗を決めた。連盟記録の通算65盗塁へあと3つと迫り「最終戦で狙います」と力を込める。
ただ記録以上のインパクトを残したのが九回だった。「ピッチャー・吉持」がコールされると、球場内からどよめきが起こった。オール直球で140キロ台を連発。最速で144キロを計測し「オープン戦でも投げていたので。146が出たことあります」と平然とリーグ戦初登板を振り返る。
「関西(地区大学)選手権ではDHがないですから。その想定で」と明かした富山陽一監督。神宮大会出場校を決める同選手権(31日開幕)は指名打者制がないため、緊急登板をテストした形だ。
もともと地肩の強さはプロのスカウトも高く評価していたが、制球を乱さない指先の感覚と精神力の強さは大きな魅力だ。13日は最後のリーグ戦。「チームに勢いをつける走塁ができれば」と語るドラフト上位候補がどん欲に走りまくる。