伊東ロッテ崖っぷち「追い込まれたね」
「パCSファイナルS・第2戦、ソフトバンク6-1ロッテ」(15日、ヤフオクドーム)
後がなくなった。伊東ロッテが、土俵際に追い込まれた。「5年に1度のゴールデンイヤー」の合言葉を引っ提げ、下克上を勝ち取るべく博多に乗り込んできたが、王者の厚い壁の前に、窮地に立たされた。
「いよいよ追い込まれたね」。伊東監督はそう言って大きく息を吐き出した。悔いが残るのは初回だ。伊志嶺、角中の連打で無死二、三塁と先制の絶好機を迎えたが、3番・清田は三ゴロで走者は動けず。4番・デスパイネは一度もバットを振ることなく見逃し三振に倒れた。その後、井口の四球で満塁としたが、続くクルーズが凡退。本塁が遠かった。
前夜に続き、無死から伊志嶺と角中がつくった好機を生かせなかった。「明日で終わるかもしれないから、言ってもキリがないが…。中軸が打ってくれないと勝てない」。指揮官はこみ上げる歯がゆさを必死に押し殺した。
不利にはなったが、可能性がある限りあきらめない。「開き直ってやるしかない。シーズン中も、ここで負けたら終わるというところから勝ち上がってきた。崖っぷちになって、また違う力が出てくるかもしれない」。チームの持つ逆境からの底力に期待を込めた。
負けられない第3戦。「思い切った起用?明日でもう終わりとは思いたくないが、その辺の策は考えます」と伊東監督。総力戦で挑む。