ロッテ終戦…王者に完敗 下克上ならず
「パCSファイナルS・第3戦、ソフトバンク3-1ロッテ」(16日、ヤフオクドーム)
一矢報いることすらできなかった。ロッテの下克上は夢と消えた。歓喜に沸く覇者を、無念の表情で見つめるしかなかった。
「勝ち上がって、いい流れで乗り込んでは来たが、その勢いを力で完全に抑えられた。チャンスはあっても、簡単には勝たせてくれない」と伊東監督。リーグ覇者の力を思い知らされた。
勝つしかない第3戦。腹をくくって打線を組み替えた。「1点を確実に取りに行く。スモールのスモールのベースボールで臨む」。前夜に無安打2三振の主砲デスパイネを外し、4番に角中を起用。だがこの日も、何度も得点圏に走者を進めながら1点を奪うのが精いっぱいだった。
涙に暮れる選手たちを見て、伊東監督は言った。「個人としては、選手たちが最後まで一生懸命やってくれて満足している。でも、監督としては負けたことが悔しくてしょうがない」。主将・鈴木は「ひと波乱起こしたかったが、それができず悔しい」と唇をかみ締めた。
伊東監督体制は、来季で4年目を迎える。「来年に向けて課題はいっぱいあるが、(最大の課題は)選手の層の厚さ。もっと肉厚にしていかないと歯が立たない」と、2016年へと視線を向けた。この敗戦を、財産とする。