ヤクルト山田3連発、1試合は日本S初
「日本シリーズ・第3戦、ヤクルト8-4ソフトバンク」(27日、神宮球場)
ヤクルトが山田哲人内野手(23)の日本シリーズ史上初となる1試合3本塁打などで8-4とソフトバンクを下し、初白星を挙げて対戦成績を1勝2敗とした。山田は初回に先制の中越え2ラン、三回に一時勝ち越しの中越えソロ。そして五回に左越えへ逆転2ランをたたき込んだ。連敗スタートだったツバメが、本拠地で息を吹きかえした。
トリプルスリー男が描いた歴史に残る3本のアーチが巨大戦力を粉砕した。敵地で2連敗を喫して帰ってきた本拠地。2試合で7打数1安打と湿っていた山田のバットがついに目覚めた。
まずは0-0の初回1死一塁で、豪快に中堅左へ運ぶ先制2ラン。2-2の三回2死では、「完璧」と振り返った当たりでまたも中堅左へ勝ち越しソロを放った。そして3-4と勝ち越された五回2死一塁、今度は左翼席へ逆転の3号2ランをたたき込んだ。
1970年の第3、4戦目にかけて長嶋茂雄(巨人)がマークしたシリーズ記録に並ぶ3打席連続本塁打。1試合3連発はシリーズ史上初の快挙だ。試合後のお立ち台で山田は、「素直にうれしい。大きな声で声援してもらって、それがパワーの源だと思ってるんで、いつもありがとうございます」と笑顔を浮かべた。
レギュラーシーズンで打率・373、23本塁打と好成績を残した神宮球場が力をくれた。本拠地で杉村チーフ打撃コーチと行う早出のティー打撃が「いろいろ修正もできる。大きい」という。
その杉村コーチが2軍から1軍に配置転換となった2013年秋、「本塁打を打ちたい」と伝えた。その時、「お前は本塁打王を取れるのか、バレンティンを超えられるのか。広角に打って3割を打って、本塁打は10本でも20本でもいいんじゃないか」と諭された。だが今では杉村コーチも「オレの目が節穴だった」と目を細める。
本拠地で14年ぶりのシリーズ勝利。神宮ではシリーズ8連勝だ。「ソフトバンクは強敵ですけど、なんとか明日も勝てるようにやっていきたいと思います」。山田は最後にこう誓った。澄み切ったその目は、逆転日本一だけを見据えている。