ソフトバンク千賀、悪夢払う2回完全

 「日本シリーズ・第4戦、ヤクルト4-6ソフトバンク」(28日、神宮球場)

 前夜の悪夢を払しょくしたかった。2点リードの七回、千賀は強い気持ちでマウンドに向かった。追いすがる燕をねじ伏せ、2イニングを6人で完璧に仕留めた。

 「きのう悔しい思いをしたんで、絶対に抑えたかった。うまくいって良かったです」。七回、先頭の畠山に3ボールとなったが、そこから2球連続直球で見逃しストライク。最後はフォークで遊ゴロに打ち取ると、もう本来の千賀だった。強心臓が身上の右腕が本領を発揮した。

 前夜は五回途中から登板したが、山田に逆転2ランを浴びた。日本シリーズ初の1試合3本塁打の、3本目だった。試合後、報道陣の一切の質問に答えず、無言を貫いた。それだけ自らにいら立っていた。だが同じ失敗は繰り返さない。「切り替えられました」。一夜明け好救援を演じた千賀の顔には、生気がみなぎっていた。

 右腕を信頼し、試合を託した工藤監督も「リベンジを果たしてくれたね」と目を細めた。大舞台で味わった失敗と、雪辱が、千賀をひとまわり大きくした。

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