侍J快勝発進!大谷 韓国圧倒161キロ10K
「プレミア12・1次ラウンド、日本5-0韓国」(8日、札幌ドーム)
新設された野球の国際大会「プレミア12」が、1次ラウンドB組の日本-韓国で開幕し、日本が5-0で快勝した。先発・大谷翔平投手(21)=日本ハム=が6回を2安打10奪三振無失点の好投。打線も坂本勇人内野手(26)=巨人=の左越えソロなどで小刻みに加点した。日本は9日に台湾へ移動し、11日にメキシコと対戦する。
宿敵相手に6回を2安打10奪三振無失点の快投で、開幕星を手にした。お立ち台に上がった大谷はスタンドに向かって、高らかに叫んだ。「声援に後押しされて、いいピッチングができたと思います。素晴らしいスタートが切れてよかったです」。その表情には、重責を果たした安堵(あんど)感がにじんだ。
プロ入り後初となる国際大会。慣れ親しんだ本拠地、札幌のマウンドで背番号「16」が初回から躍動した。
初回2死。金賢洙への2球目。思い切りマウンドを蹴り上げ、力一杯投げ込んだ直球は今季最速タイの161キロをマーク。いきなりの剛速球に札幌ドームがざわついた。四回1死まで無安打投球。五回には無死一、二塁のピンチを招いたが、「1点もやらないつもりで投げた」。ギアを上げて、許敬民、姜珉鎬、代打・羅成範を3者連続三振。自然とガッツポーズが飛び出し、雄たけびを上げた。
「世界一の力になる」とストイックに自らを追い込んできた。合宿初日となった3日。日本ハム選手だけの決起集会が開かれたが、参加を断り、ウエートトレに励んだ。その後も外出せず、ほぼ毎日宿舎で食事を済ませ、韓国打線のデータをインプットした。「データ班の方に感謝しています」。強い覚悟を持って臨んだ開幕戦のマウンドだった。
小久保監督は「プレッシャーはあっただろうけど、大谷に尽きます」と絶賛。花巻東高3年だった2012年のU-18世界選手権。7回2失点の力投実らず惜敗した宿敵相手にリベンジを果たした。「世界一しか目標にありません」と大谷。1次ラウンドを勝ち抜けば、準々決勝以降のマウンドに上がる。初代王者へ、再び世界の強打者を封じてみせる。