侍・坂本が快幕弾 攻守で存在感
「プレミア12・1次ラウンド、日本5-0韓国」(8日、札幌ドーム)
打線は坂本勇人内野手(26)=巨人=の左越えソロなどで小刻みに加点し、開幕戦を勝利で飾った。11日からは台湾に舞台を移し、1次ラウンドの残り試合を戦う。
弧を描いた打球は高く、ゆっくりと左翼スタンドに消えた。自身初の韓国戦で、勝利を決定付けるダメ押しの大会1号。得意の内角球をさばいた一発に、坂本は「ホッとしています」と笑った。2安打2打点。攻撃型2番が、チームに流れを呼び込んだ。
3点リードで迎えた六回。1死走者なしで打席に立った。車雨燦の2-2から5球目、内角137キロの直球を狙った。クルっと体を回転させた打球は打った瞬間、スタンドインを確信した特大弾だ。
「初めての韓国戦で緊張していたけど、大谷が非常にいいテンポの投球をしていたので、僕もいい流れで打席に入ることができた」
当初、3番に予定していた柳田の故障離脱で1番・山田、2番・秋山の攻撃型構想が崩壊。代役として6日のプエルトリコとの親善試合で中村晃が2番に入ったが、3打数無安打に倒れた。その一方で、8番に入った坂本が2安打と活躍。指揮官は「いったん白紙に戻す」と迷っていた。
開幕直前まで懸案だった2番。しかし坂本がきっちり穴を埋めた。この躍動は、今後に向けても大きな意味を持つ。八回の守備では1死一、二塁で、二遊間のライナーを横っ跳びで好捕。小久保監督も「なんといっても勇人のプレーが大きかった」と絶賛した。攻守に光った存在感。2番打者がチームの要だ。