また中田だ!連夜のV打で侍3連勝
「プレミア12・1次ラウンド・B組、ドミニカ共和国2-4日本」(12日、桃園国際棒球場)
台湾で1次ラウンドが行われ、B組の日本はドミニカ共和国を4-2で下し3連勝。同点の八回に中田翔内野手(26)=日本ハ=が決勝の2点適時二塁打。前日にサヨナラ打を含む5打点と大暴れした小久保ジャパンの主砲が、この日も3打点と連夜の大暴れだ。
塁上で掲げた両手を3度強くたたいた。歓喜に沸くベンチに向けて両拳を向ける。同点に追い付かれた直後の八回。流れを呼び戻した一打は、欲しかった勝ち越し点。決めたのはまた中田。2夜連続のV打&3打点で3連勝に導いた。
「1点でもいいから取りたかった。いいところに飛んでくれました」
ハイライトは八回だった。七回の守備で左翼・筒香が拙守。左翼線の飛球に目測を誤って二塁打とした。1死後に2ランを浴びて同点。落ち込む後輩に、中田はベンチで「気にするな。切り替えろよ」と声を掛けた。
直後の打席は2死一、二塁で巡った。2球で追い込まれた直後、ボークで走者が進塁。ファウル、ボールと続いた5球目、内寄り低めのフォークだった。「何が来ても反応する気持ちで全ての球を待った」。打球は瞬く間に三塁線を抜ける。一気に2者生還して勝ち越しだ。
チェンジになると、交代した筒香が中田のミットを持ってダッシュで駆け寄る。2人でグータッチ。「僕も普段エラーして助けてもらっている。気にするなと言ったら、あんまり気にしてないみたいで良かった」と笑った。1点リードの四回には中前適時打。外角低めのスライダーに、泳ぎながらも食らい付いた。硬軟を織り交ぜた“ナカタショー”だ。
小久保監督も「昨日もきょうも、彼のバットで勝った試合。中田サマサマでございます」と最敬礼した。11日のメキシコ戦も殊勲は6番打者。3戦で7安打8打点、打率・636と止まらない。「ホッとしてます」。世界の大舞台に立ち、中田が覚醒の時を迎える。