「ＮＰＢアワーズ２０１５」（２５日、グランドプリンスホテル新高輪）

　予想していなかった新人王受賞だった。大きな拍手を浴び、ひな壇に上がった日本ハム・有原航平は控え目な笑みを浮かべた。「まさか、僕が選ばれるとは思っていなかった。正直、うれしい」と喜びを語った。

　不安いっぱいの船出だった。早大４年時から抱える右肘の違和感に悩まされ、開幕は２軍スタート。「けがで始まってすごく苦しかった」。地道なリハビリを乗り越え、５月１５日のオリックス戦でプロ初登板初勝利を挙げると、先発ローテに定着。９月５日の同戦ではプロ初完封を飾り、２位でのＣＳ進出にも貢献した。「支えてくれたチームの皆さんに感謝したい」と謙虚に話した。

　４球団競合の末に入団したドラ１は１年目から８勝。大器の片りんは見せたが、今季は右肘の状態を考慮され、十分に間隔を空けながらの登板だった。満足はしていない。「イニングを増やさないと。規定投球回を投げきりたい」。来季は開幕から大谷と並ぶ先発ローテの中心になり、存在感を見せつける。