楽天・松井裕樹投手（２０）が２９日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、４０００万増の６５００万円でサインした。今季は先発から抑えに抜てきされ、３３セーブをマーク。高卒２年目では史上初の３０セーブ超えを達成し「球団から最大限の評価をしていただきありがたく思います」と笑顔をこぼした。

　昨年「飛躍の年にする」と言った公約を守った。それでも、新守護神としてフル回転した左腕は、満足していなかった。６３試合の登板で防御率０・８７の好成績を残したが「セーブ失敗が１回あったし２敗もした。成績に納得はしていません」と表情を引き締めた。

　それでも、新たな役割で成長した手応えもある。「ピンチでどれだけビビらずに投げられるかが抑え。プレッシャーがかかる場面で６３試合に登板して、いろいろなことを学んだ」。先発復帰の可能性もある来季の起用法は、年内にも決定する予定だが「どちらでもいける準備をしたい」と前を見据える。抑えなら「３８から４０セーブ」が目標。「来年先発をやってみたら抑えの経験がいきたと分かると思う」と話した。

　今オフは昨年に続きヤンキース・田中と自主トレを実施。１３年に楽天を日本一に導いた田中から貴重なアドバイスを授かる。さらなる飛躍を誓う若き左腕が、来季目標に掲げた「日本一」に向けて始動する。