広島・鈴木誠 猛練習でつかんだ手応え

 広島・鈴木誠也外野手(21)が、外野のレギュラー獲得に挑む。二松学舎大付から入団して今年で4年目。強い危機感を胸に抱いてグラウンドに立つ。

 「今年、結果を出さないと自分の方向性が決まってしまう。左投手が先発ならスタメン、右投手なら代打。そういうことになりかねない。しっかりとレギュラーを取らないといけない」。高卒4年目。まだ21歳の若武者は、こう言って口を結んだ。

 定位置確保へ向けて、手応えがある。しっかりとした打撃の基礎を固めつつあるのだ。昨年、秋季キャンプで一つのきっかけをつかんだ。「どうしたら右の股関節に体重が乗った状態から打ちに行けるか考えていた。連続ティーでへとへとになって振ったときに、これっていうのがあった」

 石井打撃コーチの就任に伴い練習量が増加した。朝9時の早出に始まり、夜間練習を含めると最大で10時間だ。21日間で最大2万本を目標にバットを振って、振って、振りまくった。数をこなすことは、それが目標になり質が低下してしまわないかと懸念されていた。鈴木誠はもともと練習の虫。猛練習から道を見いだした。

 9日からは大分県でソフトバンク・内川に初めて弟子入り。合同自主トレで打撃の完成を目指している。史上2人目となる両リーグで首位打者獲得するなど、現役選手の右打者としては最高のバッターと言われている内川。「ずっと話を聞きたいと思っていた。技術もそうだけど、メンタルの部分。どんな気持ちで打席に入っているとか、投手のどこに目線を持ってきているのかとか聞いてみたい」

 外野はセンターに丸が座り、左翼はエルドレッドやプライディー、右翼を野間、松山らで争う。昨季は97試合で打率・275、5本塁打、25打点。「去年はレギュラーをつかみ切れなかった。今年が本当に勝負の年」。腹をくくって、グラウンドに立つ。(デイリースポーツ・市尻達拡)

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