マー君世代育成新人、巨人大竹秀の覚悟
巨人の育成ドラフト5位・大竹秀義投手(27)が、プロとしての一歩を踏み出した。
米大リーグ・ヤンキースの田中将大、ドジャース入りした前田健太、巨人・坂本勇人、沢村拓一と同じ1988年生まれ。現状では大きな差があるが、本人は覚悟を持ってプロ1年目に臨んでいる。
武器は最速151キロの直球とカットボール。巨人でも、育成選手から花を咲かせた山口鉄也、松本哲也のような見本もそばにいる。「長い期間(育成選手で)いるわけにもいかない。今年28(歳)ですからね。やはり短期での支配下を目標にやっていきたい」と誓う。
入団までには多くの経験を培ってきた。春日部共栄高から国学院大に進むも中退。その後はBCリーグで計3チーム、米独立リーグでもプレーをしてきた。14年には米大リーグ・レッドソックスのマイナーキャンプにも招待選手として参加。ロッテで活躍した渡辺俊介(現新日鉄住金かずさマジック投手兼任コーチ)もキャンプに参加しており、毎日ともに汗を流し「柔軟性をもっと大事に」などとアドバイスをもらった。田沢純一も交え3人で食事に行き、2人から「試合前に自分の体のバランスを知る重要性」についても学んだ。
15年に挑戦した米独立リーグでの経験は、現在の“心の余裕”につながっている。「何かが起きても動じなくなった」と、精神面が強化されたことを明かした。「明日の保障がなかった」という独立リーグ時代と違い、「リラックスした状態で野球に打ち込めてる」と、現在の環境のありがたみも感じている。
球団寮での生活も「快適ですね」と、満面の笑みが充実ぶりを物語っていた。加湿器にはお気に入りのアロマオイルを入れ、風呂上がりにはボディークリームを塗ってオンとオフの切り替えをしているという。
「まずは、同世代の選手たちと同じレベルまでいけるように」。ルーキーイヤーにして勝負の1年。いかにして飛躍を遂げるか注目していきたい。(デイリースポーツ・田中哲)