広島ドラ6オスカルを成長させた敗戦
広島のドラフト6位・仲尾次オスカル投手(24)=ホンダ=が、WBCでの敗戦の悔しさを糧にし、開幕1軍入りを目指す。
即戦力左腕は、13年の第3回WBCにブラジル代表として出場。本大会1次ラウンドの日本戦に七回から登板したが1回2/3を2失点で敗戦投手。球の質やスピードなど、圧倒的な違いを見せつけられた。
「あの時の悔しさがあったからこそ、今の成長がある。WBCでの経験が、自分のレベルがどこまでか理解させてくれた」。世界の舞台で苦い経験をしたことが、オスカルの原動力になっている。
「今のままでは世界で活躍できない」と雪辱を果たすため、社会人時代はひたすら体を追い込んで、制球や切れに磨きをかけた。そんな取り組みが、プロの世界でも生かせている。
2月1日から始まった初の春季キャンプ。11日にシート打撃に登板し、打者7人に対して1安打と好投。左打者の外角低めの制球も抜群だ。小窪のバットをへし折るなど、即戦力としての力を見せつけた。貴重な左の中継ぎとして、首脳陣から上々の評価を得た。
慣れない環境の中でも充実した時間を過ごせている。「社会人時代と比べて、疲れる場所が全然違う。プロの練習は細かい動きが多い。やっていることは間違っていないと感じさせられる」。着実に自らの成長を実感している。
間もなく、第3クールも終わる。第4クールと沖縄での1軍2次キャンプ、対外試合での登板も増えてくる。「疲れが出てきている中で、どれだけ調子を崩さないようにできるかが勝負」と前を見据え、気を引き締めた。
「1軍で活躍することです。1年間ケガなく戦いたい」と力強く宣言。開幕1軍入りへ、最大限の能力を発揮して猛アピールする。(デイリースポーツ・井上慎也)