「練習試合、オリックス４－５楽天」（２８日、清武）

　オリックス・福良淳一監督（５５）は２８日、楽天との練習試合（清武）で２失策を記録したドラフト３位・大城滉二内野手（２２）＝立大＝を懲罰交代させ、そのまま同時刻に行われていた２軍・巨人戦（清武第二）に出場させる異例の措置を取った。この日はキャンプ打ち上げだったが、大城はそのまま２軍落ちとなった。

　温厚で知られる福良監督の怒りは頂点に達していた。なんと試合中にルーキー大城に２軍行きを命じたのだ。

　「道具全部持って行け！」

　大城は守備で精彩を欠いた。初回にウィーラーの三遊間の当たりを捕れずに安打とすると、三回にも岡島の当たりを緩慢な動きで内野安打としてしまう。さらに四回には哲朗の当たりを失策。ここで指揮官はキレた。隣の第二球場で２軍戦に出場していたドラフト７位・鈴木昂（三菱自動車名古屋）を呼びに行かせ、大城を試合から外すことを決めた。

　さらに１死一、三塁からランダウンプレーでポロリとして失点するミスも犯し、自らダメを押してしまった。

　大城は五回表が終了するとバット、グラブを両手に第二球場へと走った。代わって鈴木昂がメーン球場へと走る。１、２軍の遊撃手が入れ替わった。

　福良監督は「エラーは誰にでもある。その後どうするか。球際の執念を見せるとか。声を出すとか。一生懸命やってるかは本人にしか分からないけど、そういうふう（覇気なく）に映ってしまう。このまま２軍？もちろん。（再昇格は）時間が掛かるでしょうね」と突き放した。

　１、２軍合同キャンプならではの出来事だが、試合中の２軍降格は異例だ。キャンプ総括で「もう少し若手にアピールが欲しかった」と話した指揮官。正遊撃手の安達が潰瘍性大腸炎のためキャンプ不参加。開幕も間に合わない中、遊撃には中島を起用する方針を固めている。大城がアピールできれば、チーム全体の刺激になると考えていただけに、口調は厳しくなった。

　大城は「（ミスを）取り返そうと思って空回りした」と悔やんだが後の祭り。キャンプ最終日、将の怒りが静まることはなかった。