「オープン戦、オリックス５－３巨人」（５日、京セラドーム大阪）

　待ちに待ったオリックス・Ｔ－岡田の一発に、一塁ベンチが沸いた。高橋、北川の両打撃コーチが笑顔を見せれば、チームメートも自分のことのように喜んで迎えた。

　四回２死一、三塁。カウント１－２と追い込まれた４球目だった。高木勇の内角高めいっぱいの直球に両腕をたたみ、ミートした打球は高々と舞い上がり右翼スタンドへと飛び込む３ランとなった。

　「うまく反応できた。いい感触でした。この２、３試合で状態は上がってきていると思う。レギュラーの座を確約されているわけではないのでこれからも１試合１試合全力でアピールしていきたい」

　かつて本塁打王を獲得した男とは思えないコメントに終始した。福良監督は「難しいボールをうまいこと打った。これで自信を持ってくれたら。（この打線で）Ｔ－岡田が打ったら相当、打点を稼げる」。キーマンと期待するからこそ簡単に賛辞を送ることはない。

　キャンプは２軍スタート。なんとか昇格したが、その後は低調が続いた。指揮官は「あとは精神面だけ。なんで変わらんかなあ」ともどかしい思いを口にしていた。

　ボグセビック、モレルに中島、糸井と来てＴ－岡田の復活がなれば強力打線は完成する。変身の一発となることを誰もが期待している。