日本ハム・大谷 前人未踏の球速域へ

 本当に速かった。3月2日・DeNA戦(札幌ドーム)。日本ハム・大谷翔平投手(21)が投じた直球は自己最速に並ぶ162キロをマークした。この日の札幌は雪が降っていた。こんな寒い時期に、飛ばしすぎて、故障につながらないかと心配もしたが、決して、力いっぱい投じた1球ではない。確かに力感にあふれていたフォームだったが、最速を狙って投げ込んだわけでもない。「まだ、100ではないです」と登板後、言っていた。余力を残しての数字に、シーズン自己最速への期待を抱かせる。

 1年前の3月3日のオープン戦では153キロが最速だった。同時期で昨年よりも9キロも速い。明らかに進化したボディーによるものだろう。162キロの計測は2年ぶり。14年に出して以来だが、あの時とは明らかに違う。2年前はオールスターと公式戦最後の登板となった10月5日楽天戦。オールスターではお祭りムードと、周囲のスピードへの期待を意識して、力いっぱい、投げ込んで記録したものだ。だから、体も悲鳴を上げていたのかもしれない。球宴後の後半戦に失速。1勝しかできなかった。

 今年は進化したボディーで余力を残しての162キロ。球速の底がさらに上がったと私はみている。だから、制球の良さにも表れていた。この試合は5回を投げて無失点。ひとつも四球を出さなかった。試合後「コースにきちっといっていた。去年とは違いますね」と言っていた。ある程度のコースを狙った上での球速増なのだ。

 黒木投手コーチも「常人じゃないところが翔平なんですよ。われわれが精いっぱい投げて145キロ出すところを軽く出すのが翔平。普通じゃないんです」と振り返っていた。さらに「もっと出ると思っています」と最速超えの可能性もあるのではと予告した。

 2年連続で開幕投手に指名された大谷。初めての米・アリゾナキャンプも順調にこなし、納得のいく調整ができている。日本は雨が降る日が多かったが、アリゾナは快晴が続いていた。「ウエート場は広かったし、天気もよかった。施設が充実してました。いいキャンプを過ごせました。100点です」。日中は暖かく、充実した施設で、納得のいく練習ができていたせいか、表情は明るかった。

 大谷も自己最速超えについて「なかなかあと1キロの壁は越えられないけど、頑張ってみたいと思います」と言う。勝つ投球に徹するため、無理にスピードを狙いにいくことはしないだろうが、さらに排気量が上がったエンジンで日本最速163キロ超えの可能性も十分あると記者は思う。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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