オリ金子5度目開幕投手に不安なし
「オープン戦、オリックス2-3ヤクルト」(9日、京セラドーム大阪)
初回先頭打者。オリックス・金子千尋投手はいきなり全力で臨んだ。相手が昨年までの同僚・坂口だったから、だけではない。
「ピンチになって力むんじゃなくて先頭打者で力むのが僕のやり方ですから」
手探りの立ち上がりはあり得ないという。初球から最大の力をぶつけて抑えに掛かる。その坂口に中前打を許し、二盗に悪送球も絡んでいきなり1死三塁で打者・山田というピンチを迎えるが、MAXを経験しているからこそ力まず冷静に対処した。山田には最大の武器であるチェンジアップで、続くバレンティンはスライダーでともに空振り三振に斬った。
以降はまったく危なげなく予定の5回を2安打無失点に抑えた。
「ストライク先行もできたしきっちり投げられたと思います。チェンジアップ?山田のは納得のいく球ではなかったですね。三振を取ったからといって調子いいとは言えない」
良い結果が出ようとも簡単に納得はしない。その姿はまさに求道者のよう。前回2日のロッテ戦では横の変化だけで3回を1失点にまとめた。球種を増やしたこの日はさらに打者をほんろうした。
福良監督は「万全やないですか。もう分かるでしょう」と開幕投手を示唆した。2年ぶり5度目の大役。不安要素は見つからない。