震災経験のロッテ平沢、3・11の誓い
「オープン戦、ロッテ3-7西武」(11日、QVCマリンフィールド)
特別な日にロッテのドラフト1位・平沢(仙台育英)はグラウンドに立っていた。午後2時46分、一塁ベンチ前で静かに黙とうをささげた。中学1年生だった5年前のこの日、宮城県多賀城市の自宅で大震災にあった。周囲で亡くなった人はいなかったが、自然の怖さを肌身で感じた。
少年はプロ野球選手となり「当時、(5年後に)ここにいるとは思わなかった。(震災後は)野球ができる喜びを感じながらやっている」。13年の楽天初Vに勇気をもらったことを今も感謝している。「街全体が盛り上がりました。スポーツの力は大きい。僕も勇気づけられるように頑張っていきたい」
この日は八回の守備から出場。田代の頭上を襲った打球にジャンプしたが、グラブに当たり安打となった。「飛ぶタイミングが外れた。自分のミスです」。九回の打席も中飛に倒れた。
試合後、伊東監督は「今の段階では(1軍は)厳しい」と話し、ファームでの再教育を示唆した。足りないものは何なのか。「しっかりと野球をしている姿を見せたい」。3・11。平沢が再出発を切る。