NPBが張本氏招へい 賭博問題に「喝」
プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は18日、巨人・高木京介投手(26)の野球賭博関与を含む一連の問題に対して、野球解説者の張本勲氏(75)ら5人の有識者を自らのアドバイザーとして、球界の有害行為の根絶を目指す考えを明かした。強力な“ご意見番”を得て、プロ野球の浄化に取り組む構えだ。
テレビでもおなじみ「球界のご意見番」が野球賭博問題にもの申す。前日に、自らが有識者5人と意見交換を行っていると明かした熊崎コミッショナーが、その5人の有識者の名前を明かした。
その1人が張本氏だ。熊崎コミッショナーは「OBとして長年野球界に貢献された方であり、選手の考え方、球界の実情、これまでの長い歴史のとらえ方など、経験者でしか語れない話を聞くことができる」と説明する。
現役時代は通算3085安打、504本塁打、7度の首位打者と輝かしい成績を残した。さらに東映時代には69年に西鉄選手の八百長問題から端を発した「黒い霧事件」を目の当たりにしている。
当時の世相、事件の経緯、信頼回復へ向かうプロ野球の歩み-そのすべてを見てきた張本氏。TBS系の情報番組「サンデーモーニング」での歯に衣(きぬ)着せぬ言動と同様、現在のプロ野球界へ『喝!!』を入れるにうってつけの存在だ。
この日も張本氏は都内のNPB事務局を訪れ、熊崎コミッショナーと意見交換。熊崎コミッショナーは「全容解明への方策、再発防止、野球界として今後どうあるべきかを含め、われわれが具体化できるか参考にさせていただきたい」とした。
そのほかにも、前日に日本野球機構(NPB)調査委員会アドバイザーに就任した横田尤孝弁護士、日本大学大学院の前田雅英教授(刑事法)、元公正取引委員会事務総長の山田昭雄氏、ノンフィクション作家の吉永みち子さんと各分野のスペシャリストがそろい、球界浄化へと歩み出す。