福良オリ初勝利…九回裏ピンチしのいだ
「西武4-5オリックス」(27日、西武プリンスドーム)
コーディエが山崎勝が同時にガッツポーズ。九回裏、1点差に迫られなおも2死満塁。絶体絶命のピンチに、開き直りの直球勝負で外崎を空振り三振に斬った。福良オリックスが苦しみながらようやく初勝利。選手もスタッフもみんなへとへとに疲れきった表情で勝利の儀式に加わった。
福良淳一監督は「キツイですね。簡単には勝たせてくれない。みんなよく頑張ってくれました。野手も投手もね。監督初勝利?エッ、あぁ」と代行ではなく監督としての初星でもあったが、細かいことは気にしない主義だ。
初戦はコーディエの乱調でサヨナラ負け。2戦目も継投失敗で5点差を逆転された。痛い連敗にも指揮官は動じなかった。「真っ向勝負。堂々と行きますよ」と球場入り口からベンチまで3日間、同じルートで入った。験担ぎもなければ無理に鼓舞することもない。ただ、選手への信頼だけは変わらなかった。
昨季の開幕も同じ西武に3タテを食らい、低迷へと突き進んでいった。この日も一度は同点に追いつかれながら、何とか逃げ切り悪夢再現は封じ込めた。
記念の勝利球は「来日初セーブだから」とコーディエに譲った。受け取った本人は「代わりに監督に胃薬でもプレゼントしとくよ」と悪びれずに言った。アットホームな雰囲気が最大の強み。福良丸が発進した。