高松商51年ぶり4強!豪快22安打17点
「選抜高校野球・準々決勝、高松商17-8海星」(28日、甲子園球場)
センバツ第1回大会覇者で20年ぶり出場の古豪・高松商(香川)が、海星(長崎)を下して51年ぶりの4強入りを決めた。自慢の強力打線が、今大会最多で、春夏通じてチーム史上最多となる22安打17得点。7犠打、5盗塁と小技も絡めた猛攻で粘る相手を振り切った。56年ぶりの決勝進出を目指し、30日の準決勝で秀岳館と対戦する。
古豪の勢いが止まらない。26年ぶりの8強舞台で、高松商打線が大爆発だ。22安打17得点はともに今大会最多で、春夏合わせ45度目の甲子園でチーム最多記録。猛打で51年ぶりの4強進出を果たし、長尾健司監督(45)は「全員が物おじせずに振れていた」と喜んだ。
パワフルなスイングで聖地を揺らした。中盤に投手陣が崩れ乱打戦となったが、打ち合いなら負けない。10-7と3点差に迫られた八回、2死から4番・植田響介捕手(3年)が左中間席にソロ本塁打。この一発で猛攻に拍車がかかり、粘る相手を豪快に振り切った。
切り込み隊長の復活が、打線に勢いをもたらした。過去2試合で6打数無安打だった1番・安西翼外野手(3年)が3安打の活躍。右前打で出塁した五回には二盗も決めた。
中学3年時に陸上100メートルでジュニア五輪出場の経験があるチーム一の俊足は、大会直前に風邪を引いてダウン。微熱が続き、体重も3キロ減って打撃不振に陥っていた。「チームのムードを悪くしていたので、笑顔でプレーしようと思った」。体調回復とともに気持ちも前向きに。ようやく本来の姿を取り戻し、チームの得点力を一気に上昇させた。
安西の祖父・忠之さん(77)は55、56年にセンバツ出場した“レジェンドOB”。ともに初戦敗退だったが、60年の時を経て、孫が聖地で3勝を挙げた。「校歌を3回も歌えてうれしいですね」。祖父もアルプス席で感激の面持ちだった。
休養日を挟み、準決勝で秀岳館と激突する。相手も2回戦で18安打16得点、3本塁打を記録した強力打線だ。米麦圭造主将(3年)は「相手は力がある打線だから、自分たちも打たないと。全力でやります」と闘志満々。安西も「次も自分が塁に出たら勝てると思う」と力を込めた。驚異の集中打で、56年ぶりの優勝に王手をかける。