「オリックス１－０日本ハム」（１４日、京セラドーム大阪）

　必死でグラブを出した。最大のピンチを迎えた六回２死一、三塁。オリックス・山崎福也投手はスピードを上げたカーブで近藤を投ゴロに切り、お役ご免。６回無失点の好投でバトンを託した。

　これが今季初登板。期待されながらオープン戦で結果を出せず開幕は２軍。それでも昨年オフに参加したプエルトリコのウインターリーグでの経験が心の支えとなった。「外国人の強打者相手でも直球で押せたのは自信になりました」。力勝負の世界であらためて直球の重要性を知った。直球を磨くことで得意のカーブがさらに有効になった。

　「ストライク先行を意識しました。ブルペンから調子が良かった。変化球も良かったですね」

　チームに初の連勝、カード勝ち越しをもたらした左腕はプロ２年目。「すごく仲が良い」という阪神・高山は日大三、明大の後輩。「投手と野手なので刺激にはなりません。あのくらいはやると思っていたので」。遅ればせながら今季初勝利で先輩の意地を見せた。