ネット裏から感じるG由伸監督の執念
勝利への執念を感じる表情だった。17日の巨人対広島5回戦の試合前、メンバー表の交換を終えた巨人・高橋由伸監督(41)が、握手を交わした主審を鋭いまなざしで見つめていた。
先発投手を撮影するためにネット裏に陣取っていた私は、タイミングよく至近距離から指揮官の表情を撮影することができた。一塁側、あるいは三塁側のカメラマン席からでは、横顔でよく分からなかっただろう。
表情豊かだった前監督と比べると、どちらかというとクールなタイプの新監督。ホームランの出迎えも、ベンチから出てグータッチを交わしていた前監督とは対照的に、ベンチの中でコーチ陣と並んで選手とタッチを交わす。撮影サイドとしてはいささか物足りなさを感じていた。
前日の16日には広島・黒田を攻略し、首位に浮上した。連勝への強い思いが表情に出たのか。それとも新人監督だけに、なめられまいという思いが表情に出たのか。いずれにしても、すさまじい闘志が鋭いまなざしに宿っている。
新監督が見せた勝負師の顔。最前線ならではの、貴重な1枚である。
(写真と文=デイリースポーツ・開出牧)