西武・坂田“汚名返上”の勝ち越しV打
「ソフトバンク3-7西武」(29日、ヤフオクドーム)
打球に執念を込めた。同点の四回無死一、二塁。西武・坂田が右前へしぶとく抜ける勝ち越しの適時打を放った。「(二回に)メヒアが本塁打を打ってから直球が減った。真っすぐは投げてこないと思っていた」。配球を読み、4球目のスライダーを捉えた一打。この回だけで5得点を呼ぶ値千金の適時打になった。
通常なら犠打も選択肢に入る場面で、サインは「打て」。初回の守備では、2死一塁で内川の右前打の処理を誤って後逸して先制点を与えた。ふがいないプレーの悔しさを晴らそうと「とにかく打つことに集中した」という一振りで意地を見せ、期待に応えた。
今季は開幕スタメンで起用されながら、6戦目まで打率1割台と低迷した。その時期も、田辺監督から「今年でもう30歳。崖っぷちの気持ちのはず。使い続ければ、いずれ結果が出る」と信頼と期待を寄せられていた。ミスを帳消しにしたV打に、田辺監督は「バントも考えたが、坂田に思い切り打たせた方が悔いがない、と感じた」とうなずいた。
直後に金子侑の右翼線への適時三塁打も飛び出し、ビッグイニングになった。相手の反撃も継投策でしのいだ。チームは6カードぶりに初戦で勝ち、坂田は「この1勝は大きい」と力を込めた。敵地でタカをねじ伏せた白星で上昇気流に乗りたい。