燕ドラ1原プロ初星!82歳父に捧げる
「ヤクルト11-2巨人」(1日、神宮球場)
ようやくつかんだプロ初勝利だ。ヤクルトのドラフト1位・原樹理投手(東洋大)が、6回を5安打2失点の力投。「神宮で1勝できたことがとてもうれしいです」と笑顔がはじけた。
一回に2失点したが粘り、踏ん張った。自慢のシュートも駆使した。二回には、プロ初安打初打点となる逆転の2点適時二塁打を放った。先発6試合目での白星に「心が折れそうな時もあった。くじけちゃいけない、と自分に言い聞かせた」と振り返った。
早くプロ初勝利を挙げたかった理由がある。ロシア音楽の声楽家でもある父・敏行さんは82歳。それだけに「年齢も年齢なので、早いうちに投げているのを見てもらいたかった」という。
父からはこれまでに「お山の大将になるな」と精神面の教育も受けた。その教えを守り、いつも謙虚に振る舞うことを心がけている。
実家のある兵庫から神宮へ観戦に訪れることはできなかったが、息子の思いは伝わっているはず。記念のウイニングボールは「感謝の思いを込めて両親に渡したい」と原樹は目を輝かせた。
父、母、チームメートらにも支えられ、つかみ取った初勝利。感謝の思いがたくさん詰まった1勝となった。