オリ糸井200盗塁、34歳超人だ!
「ロッテ4-3オリックス」(8日、QVCマリンフィールド)
オリックス・糸井の左膝には大きなアイシング。試合後のこの光景は見慣れたものではあるが、記者は信じられない思いで見ていた。
この日は初回に内野安打で出塁すると、二盗で通算200盗塁を決め、三塁に進んでからは、一塁走者のT-岡田と重盗まで決めた。34歳が4安打2盗塁と大活躍。9盗塁は日本ハム・西川に並ぶリーグトップタイだ。
4日・西武戦の試合前のことだ。福良監督は「嘉男も体調悪い。無理して出てくれてるから」と漏らした。詳細は明かさなかったが、翌日は今季初めて守備に就かず指名打者で出場したほどだった。
昨季は左膝痛に悩まされた。オフには血小板を使って組織の修復や再生を図るPRP注射と呼ばれる治療を受けた。さらに、個人トレーナーを雇い、ランニングフォームから見直した。
その古傷のきっかけはプロ初盗塁にあった。「初めてもここ。じん帯切りながら盗塁を決めたのが思い出」。日本ハム時代の2007年9月10日(千葉マリン)。初安打も記録した記念日だったが、左膝痛のため翌日には登録を抹消された。
「そこから200も積み重ねられたのはうれしいけど、負けたのは悔しいです」
ケガでも体調不良でも弱音をはかないどころか、結果を残す。超人と言われるゆえんを見た気がした。