ロッテ清田、執念のV打でストップ鷹
「ソフトバンク2-3ロッテ」(12日、ヤフオクドーム)
狙った球を狂いなく射抜いた。捕球を試みたソフトバンクの二塁・本多の左を打球が抜ける。決勝の走者が本塁を駆け抜け、一塁塁上でロッテ・清田の笑顔がはじけた。ソフトバンクの快進撃を止めた値千金の一打。執念が実を結んだ。
同点の九回2死三塁。直前に代打・井口が三振に倒れ、奮い立った。マウンドには2番手・スアレス。速球自慢の助っ人の武器に照準を定めた。
「真っすぐが速い投手だけど、ファウルにしないように心掛けた。外の真っすぐ来い!と。ヒットになって良かった」
1ボールからの156キロ直球に力負けせず、根性で二遊間を破った。ベンチ最前列で身を乗り出していたナインも手を叩き、ガッツポーズを繰り出した。
3ゲーム差で臨んだ首位・ソフトバンク3連戦に連敗して迎えた第3ラウンド。負ければ今季初の同一カード3連敗で、シーズン序盤で早くも6差を付けられるところだったが、3番に座る男が熱戦にピリオドを打った。
「試合前から何とか勝とうとみんなで話をしていた。涌井がいい投球をしていたので、勝ちを付けられなくて申し訳ない」。7回2失点と粘ったエースに6勝目をプレゼントすることはできなかったが、価値ある白星で王者の進撃を食い止めた。