ヤクルト山田 今季11球団から本塁打
「交流戦、ヤクルト5-1西武」(17日、神宮球場)
完璧な当たりではなかった。七回1死一塁。ヤクルト・山田が2ボールから佐野の甘い直球をたたくと、ライナー性の打球が左翼席へと飛び込んだ。リーグトップ独走の22号2ラン。「ちょっと詰まりましたけど、弾道が低かった。(狭い)神宮のおかげで入りました」と言って、はにかんだ。
成し遂げた記録は完璧だった。これで今季対戦した全11球団から本塁打をマーク。同一シーズンで交流戦終了までの“11球団制覇”は、13年のバレンティン以来の快挙だ。「全然、意識していなかった」と言うが「なかなかできない。そういう記録を達成できて素直にうれしいです」と笑みを浮かべた。
打棒爆発の秘訣(ひけつ)は、好球必打にある。甘いボールは逃さない。逆にボール球に手を出すことは極端に少ない。5月下旬には「ボールが見えている。ストライクゾーンが分かっている」と自己分析した。リーグ単独トップの54四球は、山田が完璧な打者にさらに進化した証しだ。
チームは最下位に低迷するが、4番打者は奮闘する。「苦しい戦いが続いてますけど、全力プレーを約束します」と本拠地のファンに誓い、大歓声を浴びた。山田がバットでチームを上位に導く。