ソフト和田単独トップ9勝 オコエ手玉
「楽天3-6ソフトバンク」(24日、コボスタ宮城)
経験だろう。降りしきる雨の中、ベテランが快調にアウトを奪っていった。ソフトバンク・和田は七回に3失点したが、7回を2桁10奪三振と好投して、両リーグ単独トップの9勝目。足場の悪さを考慮し、低め中心に集めて楽天打線を手玉にとった。リーグ再開初戦を飾り、今季パ・リーグ5球団全てから白星をマーク。ただ、和田自身は満足していない。「七回をもっと集中しないといけなかった」と反省した。
六回終了まで無安打無得点。ところが雨の勢いが強くなった七回にリズムが変わった。先頭ウィーラーに許した初安打をきっかけに一、二塁。ここで島内に3ランを浴びた。「雨で足場もスライダーもスリップしていた。制球に気をつけないと」。快挙と完封が一気に消えた七回を悔やんだ。
それでも売り出し中の高卒新人、オコエに格の違いを見せつけた。第1、2打席とも直球、スライダーだけで抑えるなど3打数無安打。「雨だから参考にならない。でも雰囲気はある」。余裕を持って、未来のスター候補の素質を認めた。
約3カ月前、同じ仙台での開幕戦で黒星を喫したが、交流戦明けは見事な白星発進だ。「(ナインは)リーグ戦も再開し、勝ちたい気持ちが強く出た」。勝ち続けるチームに工藤監督の頬は緩んだ。