由伸監督「点を取らなければ勝てない」
「巨人0-5中日」(28日、東京ドーム)
見せ場すら作れなかった。中日・大野に圧倒され、巨人はわずか3安打完封負け。借金は今季ワーストタイの3となり、首位・広島とのゲーム差は9に広がった。険しい表情の高橋由伸監督は「打たされたという面もあるが、点を取らなければ勝てない」と言葉を絞り出した。
淡々とアウトを積み重ねた。得点圏に走者を置いたのは、一回1死二塁の一度だけ。二回以降は得点の気配なく、三塁も踏めなかった。観客は今季本拠地最少の4万1032人。七回、1死一塁で阿部が二ゴロ併殺打に倒れると、ため息をついたG党が次々と席を離れた。
先発の田口も力不足を露呈。四回は福田に2号3ランを浴び、致命的なリードを奪われた。指揮官は「開幕からローテーションに入っているわけですし、もうちょっと頑張ってほしかった」と苦言を呈したが、これで田口自身は3連敗。調子が下り坂の20歳にカード初戦を託さなければいけないほど、チーム事情は苦しい。
中日には2勝7敗1分けとカモにされ、6月の負け越しも決定。試合前、高橋監督や選手を激励した老川オーナーは「オールスターまでに調子を取り戻し、後半戦への態勢を作ってほしい」と祈るように話した。まだ6月下旬。このまま、セ界の火を消すわけにはいかない。