中日・ビシエド藤浪粉砕!16戦ぶり17号
「中日7-2阪神」(1日、ナゴヤドーム)
加速度を増す直線的な弾道に、積もり積もった鬱憤(うっぷん)が晴れた。六回。1点を先制し、なおも無死一、二塁。フルカウントからの6球目に、中日・ビシエドが反応した。阪神の先発・藤浪の低めのカットボールは、瞬く間に左翼スタンドに飛び込んだ。
「長い間、苦しかった。いいスイングで打つことができた」。もちろんチームトップの17号3ランは、自身最長の間隔となる16試合ぶりの一発と打点で、自然と表情がほころぶ。七回にも適時二塁打を放ち、来日3度目の1試合4打点と完全復活した姿に、竜党は歓喜した。
一方の虎党は沈黙。それもそのはず、対阪神は13戦で6発と群を抜く。「他のチームの時も同じようにやっているんだけど(笑)。いい流れが、ちょうど阪神戦のときに来ているのかな」と意識はしないが、本拠地でも敵地でも熱狂的な応援に、主砲のアドレナリンも出る。
チームは2連勝で3位に浮上。絶大な信頼を置く4番の復調に、谷繁監督もご満悦だ。「例えるなら、日本平のトンネルをずっと通っているような感じだった」。静岡市と焼津市を結ぶ全長2000メートル超の「日本坂トンネル」を引き合いに。さらには「(東京湾)アクアラインにしようか迷ったんだよね」と冗舌だった。