ソフトB大隣、397日ぶり勝利
「ソフトバンク6-2楽天」(10日、ヤフオクドーム)
最後の打者が空振り三振に倒れた瞬間、ベンチから祈るように見つめていたソフトバンク・大隣が、ようやく笑みをこぼした。工藤監督に肩をタッチされ笑顔はさらにはじけた。左肘手術を乗り越え、397日ぶりの勝利。勝負の舞台に左腕が戻ってきた。
「時間がかかり過ぎた。いい時も悪い時もあって長いと感じることもあったけど、一日一日を大事にやってきたことをマウンドで出せた」
直球はほとんどが130キロ台前半。それでもストライクゾーンの四隅に白球をちりばめた。6回4安打1失点。「思ったより緊張はなかった。もう少し長い回を投げないと」と74球での降板を反省した。
今月下旬に優子夫人が第1子を出産予定。男の子ならキャッチボールをすることが夢だが、同時に「子供が理解できるようになるまでは」と、第一線で活躍し続ける覚悟だ。
球宴後に先発ローテは再編されるが、14年のシーズン最終戦で優勝を決めた「10・2」、クライマックスシリーズ突破を決めた「10・20」での好投などの安定感に加え、ここ一番の勝負強さを併せ持つ左腕は、V3へ向けて必要不可欠だ。「最初の試合から、これくらいの投球ができれば十分」と工藤監督。大隣の復帰勝利が、3連覇への道を明るく照らした。