呉ヒヤヒヤ船出…苦しんで1点差辛勝 昨年広島準V、ミス連発も最後は底力

 「高校野球広島大会・1回戦、呉6-5福山工」(11日、やまみ三原市民球場)

 1回戦12試合が行われ、昨夏に準優勝した呉が6-5で福山工を下した。尾道商で選抜に出場経験がある中村信彦監督(61)を甲子園に連れて行くことがナインの合言葉。昨夏、果たせなかった夢を今年こそは実現する意気込みだ。今春に1年生7人が入部し単独チームとして出場した熊野は、広島観音に0-10の五回コールドで敗れた。

 苦しんでつかみ取った1勝に、呉ナインは安どの表情を浮かべた。サインの見落とし、失策、四球…。さまざまなミスが重なったが、辛くも逃げ切った。中村主将は「苦しい中で、何とか勝つことができた」と胸をなで下ろした。

 初回に上田玲の中前2点適時打などで3点を先取。中盤も着実に得点を重ねリードを広げた。だが、六回に先頭打者の振り逃げから走者をため1点差に。九回は一打同点まで追い込まれた。「完全に負けパターンになっていた」と中村監督。最後は底力を示して最少リードを守りきった。

 チームの合言葉は「今年こそ監督を甲子園に連れて行く」だ。一昨年は4強。昨年は決勝で広島新庄に敗れ準優勝に終わった。悔しさを味わったメンバーが5人残る。ここ数年、中村監督は病気などで体調が万全ではない。それでもノックバットを握り指導を続けている。聖地のグラウンドに立ってもらうことが、何よりの恩返しだとナインは考えている。

 多くの課題が出た初戦。中村主将は「同じミスをしないように、しっかりと反省して次の試合に臨みたい」と前を見据えた。毎年、チームは着実にステップアップしてきた。昨年流した悔し涙を、今年こそはうれし涙に変えてみせる。

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