広商、古豪復活へコールド発進 四回イッキの10点!
「高校野球広島大会・2回戦、広島商11-1安芸商」(14日、コカ・コーラウエスト広島スタジアム)
古豪復活を目指す広島商は五回コールド勝ちで初戦を突破した。四回に主将の河内愛哉内野手(3年)の満塁本塁打など、打者16人の猛攻で10点を奪った。
雨上がりの青空に美しい放物線を描いた。河内主将がゆっくりとダイヤモンドを一周する。「人生初。最高の結果になった」と表情を崩した。苦しんだ初戦は「自分史」を塗り替えるグランドスラムで勝利に導いた。
1-1の四回無死満塁。高めの直球を左翼フェンスの先の芝生に突き刺した。初戦の難しさか、三回まで毎回得点圏に走者を進めてもあと1本が出なかった。この回、打者16人の猛攻で10点。主将の一振りが打線に活力をもたらした。
今大会のベンチ入りをかけ、メンバーがしのぎを削っていた春先。3年生だけを集めて急きょ、ミーティングを開いた。自分のことだけを考え、チームに一体感がなくなっていると感じていた。
「うまい人だけでやっているわけじゃない。自分のことも大事だけど最後はチーム。勝つために、みんなで野球をしようと言っていた」と渡辺良輝記録員(3年)。高めた結束力。全員が心を同じにして、甲子園出場を改めて誓った。
春季広島大会では4強入りし、手応えを感じている今夏。河内主将は「過去と比較されるけど、僕は広商に憧れてこの学校を選んだ。1試合1試合をしっかり戦っていきたい」と前を向いた。04年以来の頂点へ-。主将がチームをけん引していく。