横浜・万波怪物弾 バックスクリーン直撃1号!西武・渡辺SD「ブーマーみたい」
「高校野球神奈川大会・3回戦、横浜12-0松陽」(19日、横浜スタジアム)
「ガコッ!!」という鈍い音とともに、ボールがハマスタの人工芝に落ちてきた。あっけにとられていた場内に、歓声が戻る。とんでもない打球の主は、プロの助っ人大砲ではなく、無邪気な笑顔で喜ぶ16歳。「こんないい球場で、初スイングが初ホームランになってうれしい」。横浜のスーパー1年生・万波(まんなみ)中正外野手の公式戦1号は、衝撃の特大弾だった。
2点リードの二回無死。真ん中低めの直球を豪快に振り抜いた。どこまで伸びるのかという弾道は、スコアボード下部の広告にぶち当たった。
ドラ1候補・藤平尚真投手(3年)の視察に来た日米5球団のスカウト陣も、目を丸くした。西武・渡辺SDが「度肝を抜かれた。高校生であんな打球はみたことない。ブーマー(元阪急)みたい」と、かつての三冠王助っ人になぞらえれば、メジャー球団のスカウトも「16歳だって?ワオッ!とても印象に残ったよ」と感嘆した。
父はコンゴ出身で、190センチ、92キロの恵まれた体格の万波。中学時は陸上でも100メートル障害で都大会2位、砲丸投げで優勝。身体能力は計り知れない。驚がくの一撃にも「真芯でボールがつぶれた感じ。まだまだ飛ぶかな。柳田選手(ソフトバンク)のところ(スコアボード中部直撃弾)まで飛ぶように、しっかりやっていきたい」と目を輝かせた。名門・横浜に新たな怪物スラッガーが誕生した。