中日・大島サイクル安打!史上64人目 「変な緊張感」も4打席で決めた
「広島6-7中日」(20日、マツダスタジアム)
白球は願いが通じて遊撃後方にポトリと落ちた。中日・大島洋平外野手が右手をグッと握る。両軍ベンチもスタンドもその意味を知っている。花束を受け取った背番号8が大歓声のシャワーを浴びた。「変な緊張感がありました。2000安打を目前にした選手とか、こういう感覚になるのかなと思いました」。九里の130キロフォークをはじき返して、史上64人目(68度目)のサイクル安打達成だ。
偉業は最も困難な本塁打で始まった。一回にアーチを描いた。先制3号ソロは2013年9月16日のDeNA戦(ナゴヤドーム)以来、3年ぶり3度目の先頭打者弾だった。二回には左中間への二塁打、四回には左中間への三塁打をマークした。そして、六回の第4打席。リーチ一発だった。球団では2004年4月13日・巨人戦(東京ドーム)のアレックス以来、7人目の偉業達成となった。
記念のボールの行く先は「これから考えます」という。節目のグッズは自宅にない。友人、知人に渡す。「モノに興味ないんですよね」。これも大島ならではだ。
22日からナゴヤドームでヤクルト戦。首位・広島とは13・5ゲーム差がある。チームにできるのは目の前の試合を全力で勝ちにいくこと。“神ってる”切り込み隊長が、勝利にはこだわって打線を引っ張っていく。