広島新庄・堀気迫の完投!OB巨人・田口エール背に広商封じ
「高校野球広島大会・準々決勝、広島新庄5-4広島商」(23日、三次きんさいスタジアム)
広島は準々決勝4試合が行われ、広島新庄のプロ注目の左腕・堀瑞輝投手(3年)が苦しみながら9回9安打4失点で投げ抜き、4強進出を決めた。
27個目のアウトを確認すると、左手の拳を高く上げた。130球を投げ抜いたエース堀の気迫が、チームを2年連続で準決勝に導いた。
心は熱く、頭は冷静だった。5-4の九回2死三塁。2ストライクからの3球目で、三走・田村に本盗を仕掛けられた。「走ったのが見えた」。外角低めにきっちりと外してタッチアウト。極限状態でも、広い視野で熱戦にピリオドを打った。
本来の調子ではなかった。最速は145キロ。初回から2ランを浴びるなど直球は本来のキレを欠いた。二回からは「自分の自信あるスライダーで勝負しました」。臨機応変にスタイルを変えて広島商打線を封じた。
この日は阪神、日本ハムなど5球団のスカウトが視察した。阪神・田中スカウトは「回を重ねるごとに調子が良くなった。巨人の田口のようなタイプ。高校生でこれだけ投げられたら十分」と高い評価をした。
OBの田口は、同じ左腕ということもあり憧れの存在だ。大会前には「自分の投球をして甲子園に行ってくれ、と言われました」とエールをもらった。2年生エースとして出場した昨夏の甲子園は2回戦で敗れ、悔しさだけが残った。もう一度、聖地のマウンドへ。夢舞台へ、あと2勝だ。