履正社・寺島13K完封 日米12球団32人スカウト絶賛!虎は7人態勢
「高校野球大阪大会・5回戦、履正社2-0大体大浪商」(27日、舞洲ベースボールスタジアム)
ドラフト1位候補の履正社・寺島成輝投手(3年)が、大体大浪商を3安打、13奪三振で完封し8強進出。ネット裏では日米12球団32人のスカウトが視察し、最速は最終回に149キロを計測。140キロのカットボールも披露し、格の違いを見せつけた。
何度も雄たけびを上げた。左足甲の親指側からは血がにじんだ。それほど力強くプレートを蹴り、こん身の力で腕を振った寺島。被安打3、13奪三振の完封に「今大会では一番のデキでした」と納得の表情を浮かべる。
試合前、岡田龍生監督(55)に「1点あれば十分です」と誓ってマウンドに上がったエース。「0点にこだわっていた」と立ち上がりからエンジン全開で飛ばした。奪った13三振のうち、実に12個がストレート。残る1つも140キロを計測したカットボールで手を出させなかった。
九回2死二、三塁のピンチでは、この日最速となる149キロを計測。内角直球で中飛にねじ伏せると、珍しくド派手なガッツポーズまで見せた。相手の大体大浪商のエース・西田光汰投手(3年)も同じドラフト候補。「いい投手なので」と白熱した投げ合いで一歩も譲らなかった。
ネット裏では日米12球団32人のスカウトが視察。阪神は高野球団本部長ら7人態勢で見守り、担当の畑山統括スカウト補佐が「今までで一番。気持ちも入っていた」と目を細めた。巨人・山下スカウト部長は、1位で3、4球団が競合するかの問いに「それくらいの大型左腕」と絶賛した。
難敵を退け「目の前の試合を一つ一つです」と力を込めた寺島。悲願の聖地へ-。激戦区・大阪の頂上は確実に見えてきている。