履正社6年ぶり夏切符 寺島12K完封

 「高校野球大阪大会・決勝、履正社12-0金光大阪」(31日、舞洲ベースボールスタジアム)

 8月7日に開幕する甲子園の49代表校が出そろった。大阪大会は、履正社のドラフト1位候補・寺島成輝投手(3年)が3安打12奪三振の完封で、6年ぶり3度目となる夏の甲子園出場を決めた。打線も8試合で91安打79得点と援護し、激戦区の大阪を勝ち抜いた。

 ありったけの声で叫んだ。両腕を突き上げ、マウンドに駆け寄ってくる仲間たちと抱き合った。その瞬間、寺島の目からこぼれ落ちた涙-。「勝って泣くのは初めてです」。最後の夏でつかんだ聖地への初切符に、絶対的なエースは感情を抑えきれなかった。

 立ち上がりから最速149キロを計測した直球を主体に相手打線を寄せ付けなかった。許した安打はわずかに3本。奪三振は12を数え、三塁を踏ませなかった。前日に「ゼロで抑えます」と宣言した通りの完封勝利。今大会のチーム防御率0・49は驚異的な数字だ。

 「秋の負けから変わった」。昨秋の大阪大会3位決定戦で阪南大高に敗れた。センバツの道が閉ざされた矢先、担任の先生からこう告げられた。

 「大人になれ」-。それまで練習をサボる自分がいた。学校生活も乱れていた。主将として、エースとして、すべてを見つめ直した。練習では率先してきついメニューをこなし、今夏は最も気温が上がる午後1時ごろに屋外へ出て汗を流した。

 人間的な部分で大きな成長を遂げた寺島。「今まで子供だった自分がいた。(優勝は)その成果だと思います」と勝つための答えを見つけ出した。「甲子園で150キロを出します」と宣言したスーパー左腕。満を持して甲子園にやってくる。

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