オリ、山崎福&吉田一が“実証”したウインターリーグの効果

 セットアッパーに定着した吉田一
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 毎年オフになると、各球団がこぞってウインターリーグに若手選手を派遣する。昨年オフにはDeNAがチームの主砲である筒香嘉智外野手(24)をドミニカ共和国に派遣し、今季の飛躍につなげた。ウインターリーグ参加の効果は?オリックスを例に検証した。

 オリックスは7月31日の西武戦で逆転勝利し、月間勝ち越しを決めた。大きな働きを見せたのが2年目の山崎福。2点ビハインドの五回から登板し、3回2/3を無失点の好投で逆転につなげ、先発ローテの座をつかみ取った。

 山崎福と3年目でセットアッパーに定着した吉田一は、昨年11月からプエルトリコのウインターリーグ(以下Wリーグ)に約1カ月参加した。この時の経験について2人が声をそろえたのは「精神面が強くなった」ということだ。

 現地では同行した平井2軍投手コーチ、羽場通訳の4人で一軒家を借りて自炊。球場をはじめとした施設も日本と比べると粗末なもので、ナイター中に突然、停電で真っ暗になったこともあった。それでも参加選手たちは驚くこともなく、淡々としていたという。

 吉田一は「やっている中で気にならなくなりました。マウンドの傾斜とか、硬さとか。タフになりました」と振り返る。もちろん精神面だけではない。外国人の捕手と組むことによって、新たな自分の発見につながった。

 山崎福が「カーブの大事さを再確認できました」と言えば、吉田一は「直球すね。向こうはムービング系の球が全盛なんで、きれいなフォーシームは逆に武器になると言われた」。特に吉田一は直球で押す投球に自信がついたおかげで、先発タイプと思われていたのが、リリーフで活路を見いだした。

 ならば、毎年派遣すればとなるが、そう簡単ではない。プエルトリコなどのWリーグはドミニカ共和国などが参加するカリビアンシリーズを目指して戦う。そのため、チーム編成は年によって変わる。山崎福らが参加したインディオス・デ・マヤゲスはオーナーが代わり、チーム方針も変更されたため、今年の派遣は厳しい情勢だ。

 瀬戸山球団本部長は「かつてのイチロー(現マーリンズ)、田口(現オリックス2軍監督)、小久保(侍ジャパン監督)らはハワイのWリーグに参加した。違うチームに参加することによって得るものは大きい。今後も積極的に派遣していきたい」と話した。

 オリックスは今オフ、台湾Wリーグへの派遣を決めているという。若手を育てるといえば、かつては秋季キャンプで徹底的に鍛えて-だったが、Wリーグは大きな選択肢になりつつある。

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