阿部から天敵撃ち巨人4連勝「ホームランは打てないからね、この球場は」
「中日2-7巨人」(2日、ナゴヤドーム)
4番のバットが止まらない。四回、無死一塁。巨人・阿部慎之助捕手が左中間へ先制の適時二塁打。「チェンジアップをマークしながら(直球を)狙った。うまく打てました」。天敵の中日・若松攻略に導く一打を放ち、4連勝に貢献した。
逆方向に狙いを定めていた。イメージ通りの一打に「ホームランは打てないからね、この球場は」とニヤリ。幼少期から、父・東司さんに「困ったら逆方向だぞ」と指導を受けて磨かれたバットコントロールで、鋭い打球をはじき返した。
若松とは今季2戦2敗。6月30日の対戦では3安打で1点しか奪えず、完投負けを喫していた。この日も三回まで無得点。だが、阿部の一打で負のイメージを消し去り、集中打で右腕をKOした。
阿部は17試合連続安打と絶好調。この日はその前後を打つ3番・坂本、5番・村田も奮起した。坂本は4出塁で4得点、村田は3安打3打点。過去2戦は完璧に抑え込まれていた若松に雪辱し、村田は「何回もやられるわけにはいかないから」と胸を張った。
阿部が4番に座ってから、チームは6勝1敗。快勝に、高橋監督も「軸がしっかりすると、周りもいい流れで打席に入れる」とうなずいた。8差で追う首位・広島の猛打に負けじと、勢いに乗っていく。