松山聖陵・アドゥワ187球目痛打…「自分のミス」サヨナラ負け
「全国高校野球・2回戦、北海2-1松山聖陵」(12日、甲子園球場)
196センチ右腕が天を仰いだ。九回2死一、三塁から相手の1番・小野に140キロの直球を痛打されサヨナラ負け。187球目で力尽きた松山聖陵(愛媛)のエース・アドゥワ誠投手(3年)は「自分のミス。勝負を急いでしまった」と涙を拭った。
12安打2失点。毎回のように得点圏に走者を背負ったが、ピンチになるとギアを一段上げて140キロ台の速球を投げ込んだ。大会前、帽子に「やるまえから諦めるな!」と書いた。何度もその文字を読んで気持ちを奮い立たせたが、初出場初勝利には届かなかった。
愛媛大会決勝で打球が右肩を直撃。その影響で、ブルペン投球を再開したのは初戦3日前だった。万全の状態ではなかったが「甲子園で終われた。悔いはない」と言い切った。
ナイジェリア人の父を持つ右腕は大会後、家族らと相談した上でプロ志望届を提出する見込みだ。「自分はまだまだ甘いということを痛感した。一から体を鍛え直したい」。将来の夢は「メジャーリーガー」。豊かな素質を開花させるために力強く前進する。