花咲徳栄・高橋昂 被安打11も2戦連続完投勝利
「全国高校野球・2回戦、花咲徳栄6-3樟南」(15日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、花咲徳栄は、ドラフト1位候補の高橋昂也投手(3年)が3失点完投で2年連続の16強入りを果たした。
エースの使命を黙々と全うした。要所を締める。勝利に導く。「気持ちで負けないように。ピンチの場面で粘り強くいけた」。11安打3失点の粘投星。“ドクターK”とは違う顔で、高橋昂が2戦連続の完投星だ。
立ち上がりから毎回走者を背負い、四回には連打で先制点を献上。埼玉大会を通じて今夏初めてリードされた。それでも、変化球中心の配球でしのぎ、修正を図った中盤以降は直球の威力も復活。球数が140球を超えた九回でも、145キロを計測した。
守護神を務めた昨夏は、全球全力投球のスタイル。最後の夏を前にした6月、岩井隆監督(46)から力を抜くように助言された。多少は打たれても、すべては甲子園で勝つため。指揮官も「試合を作ることを意識してくれている。『打たれ慣れ』してきた」と、変身に目を細めた。
初戦敗退した今春センバツ後は「野菜をたくさん食べたい」と、母に頼むようになった。肉好きだが、今では山盛りのキャベツをほお張り、野菜ジュースを飲む。意識の変化も成長を支えている。
前日は履正社・寺島と横浜・藤平の投げ合いをテレビ観戦。「レベルが高い試合だなと思った」と話す高橋昂も“ビッグ3”の一角だ。151キロ右腕・今井擁する作新学院と激突する次戦へ向け「すごくいい投手。捨て身でかかっていきたい」と、気合を入れた。