聖光学院“奇襲先発”実る 外野手・鈴木が2失点完投
「全国高校野球・3回戦、聖光学院5-2東邦」(17日、甲子園球場)
聖光学院(福島)は東邦(愛知)に競り勝ち8強入り。
奇襲が実った。今夏初登板の鈴木駿輔外野手(3年)が2失点完投で“ミラクル東邦”を退けた。
「気持ちを前面に出して投げました」。伸びのある直球は最速142キロ。奇跡の逆転サヨナラ劇で勢いに乗る東邦打線を、16個のフライアウトで詰まらせた。八回には敵を鼓舞する手拍子がスタンドを支配したが、アウェー状態も「想定内」と、強いハートでピンチを切り抜けた。
昨秋に投手を務めたが右肘のじん帯を痛めたこともあり、本業は外野手。甲子園はもちろん県大会でも登板がなかった。東邦封じの秘策を練った斎藤智也監督(53)は、15日の練習で5月以来のブルペンに入らせ「オーソドックスでは勝てない」と起用を決断。1人で投げ抜き、同校初の4強進出をかけた準々決勝に駒を進めた。