作新4強!入江が大会タイ3戦連発 ひと冬8キロ増「ごぼう」から「スラッガー」へ
「全国高校野球・準々決勝、作新学院3-1木更津総合」(18日、甲子園球場)
作新学院(栃木)の入江大生内野手(3年)が、大会タイ記録となる3試合連続アーチを放った。投げてはエース・今井達也投手(3年)が最終回に自己最速タイの152キロを計測するなど150キロ台を連発し、5年ぶりの4強進出に導いた。
軽く捉えた打球が、勢いよく伸びていった。無風の上空に美しい放物線を描き、左中間スタンドへ着弾。「最初はセンターフライかと思った」と驚く入江。本格的に打撃に取り組んで4カ月足らずの男が、清原ら偉大なスラッガーに肩を並べた。
一回2死走者なしでの第1打席。「直球に山を張った」と1-1からの内角直球を振り抜いた。貴重な先制弾はエース・今井の背中を後押しする一撃。「投げる方は任せたので。援護できて良かった」と笑みを浮かべる。
春までは背番号1を背負ったが、春季栃木大会準々決勝・栃木工戦で8点を失って敗退し、「投手としての限界を感じた」という理由で野手転向を決断。「振り込み量が足りない」と、練習後でも休日でもバットを振った。もともと打撃が好きで、指導者の目を盗み打撃練習に加わっていた入江。天性の素質に加え、肉体改造が大幅に飛距離を伸ばした。
一冬で8キロ増量し、あだ名だった「ゴボウ」と誰も呼ばなくなった。無類のお菓子好きで、1日最大20個を食べていたブラックサンダーを断った。「監督や部長先生が作ってくれた」チャーハンを毎日苦しくても食べた。
大阪入り後、豊中ローズ(両翼95メートル、中堅115メートル)で行われたシート打撃で場外弾を放った規格外の男は「4戦連発よりもチームが勝てばいい」。頂点まで残り2試合、覚醒した大砲の真価がここから試される。