頭角現したヤクルト・西田 真中監督認める潜在能力

 ヤクルトに将来性豊かなニューフェースが登場した。6年目の西田明央捕手。パンチ力もある打撃を大きな武器とし、スタメンマスクの機会も激増した。昨季の出場試合数は13。今季は捕手だけではなく一塁にも入り、48試合に出場し、打率・275、7本塁打(18日現在)の成績を残している。

 まさにダイヤの原石だ。史上初の2年連続トリプルスリーを狙う球界のスター、山田と同学年の24歳。北照高から2010年度ドラフト3位で入団した。真中監督が2軍監督時代から「山田と同期(入団)で、どっちも面白いと思っていた」と潜在能力の高さに目を付けていた逸材だ。

 「ガッチリした体形。体格がキャッチャー向き。キャッチャーらしい風格というかね」と指揮官は話し、期待を寄せる。捕手としての特徴は「構えが分かりやすく、ピッチャーに意思が伝わりやすい。構えが低いから、ボールが浮いたらいけない(とピッチャーが思う)というのはあると思う」と野村バッテリーコーチは説明した。

 課題も当然、ある。試合出場数が増え、経験を積んでいく中でのリード面はもちろんのこと、スローイングもその一つ。送球の際の「コントロールや握り替えの速さ。フットワークですね」と野村コーチは、今後のさらなるレベルアップに期待した。

 チームには昨季、正捕手として136試合に出場し、14年ぶりのリーグ制覇に貢献した強肩の中村が君臨している。壁は厚い。しかし、西田が中村に近づこうとすることがレベルアップにつながるし、チームの底上げにも直結する。

 将来の正捕手候補の西田は、自身が今、特に意識していることは何かと聞かれると、「全てです」と答える。「良かったこと、悪かったことを(投手とも)話し合ってます。反省もしています。反省を生かしていかないといけない」。毎日、必死に勉強し、苦闘しているという。

 今季はBクラスに低迷するツバメ軍団。ただ、若き捕手が今後さらに進化すれば、チームを押し上げる力になるかもしれない。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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