ソフトバンク奪首 最短17日M再点灯
「楽天0-13ソフトバンク」(14日、コボスタ宮城)
13点の大量リードがあろうが、関係ない。ソフトバンク最終回。先頭の内川が、青山の高めスライダーを中前へはじき返した。一塁ベースに達すると、気合満点の表情で口が動いた。「よっしゃー」。プロ通算3度目の1試合5安打。自分自身と、チームの両方に残り13試合への勢いを与える価値ある一打だ。
「今日は意味のあるヒットもありましたんで。タイムリーになるヒットが打てたことがうれしい」
まさに4番の仕事で打線をけん引した。1点を先制した初回、なお1死二塁から右前適時打。続く二回にも右前適時打を放ち、さらに三回も左前へ痛烈な適時打。三回までの12得点を呼び込み、試合を序盤で決定付けた。
仙台入りした12日、選手会が呼び掛け、同市内の焼き肉店で選手、首脳陣、裏方スタッフで開幕直前以来となる決起集会を実施。冒頭の工藤監督の「輪になって戦っていこう」という言葉に続き、主将は「残り試合で1年間やってきたことが決まる。1年間やってきたことを悔いなく出し切ろう」と、ナインを鼓舞した。
「今日は、スーパーウッチー君が出てくれたんで」。工藤監督も、打線の大爆発による首位奪還を呼び込んだ4番の働きを手放しで喜んだ。杜(もり)の都で勢いと定位置を取り戻したホークスが、必ずV3を成し遂げる。