ソフトバンク執念ドローで首位守った 工藤監督「俺もハラハラドキドキ」
「ソフトバンク3-3オリックス」(19日、ヤフオクドーム)
1球ごとにスタンドから大声援が届いた。3-3の同点。延長十二回1死満塁、ソフトバンクの5番手・岩崎が迎えたのは、相手の4番・T-岡田だ。「俺もハラハラドキドキしたよ。あの重圧のかかる場面で、開き直った投球ができたんだったら、自信につながる」。試合終了直後、工藤監督は興奮を抑えながら、そう振り返った。
岩崎はフルカウントから3度首を振ると、最後は内角高めに151キロの直球を投じた。空振り三振。続く代打の伊藤を152キロで遊飛に仕留めると、球場を揺らすような大歓声が起こった。試合はそのまま引き分けに終わったが、負けなかったことに価値があった。
先発中田が初回、中島に3ランを浴び、追いかける展開。苦手の西から四、六回と1点ずつ奪って追いかけた。1点を追う九回は守護神の平野を攻略。先に日本ハムがロッテ戦で勝利し、負ければ、首位が入れ替わる状況で粘り強くつないだ。1死から今宮、代打の吉村が連打。2死となったが、中村晃の適時打で追い付いた。
残り10試合、2位・日本ハムとは3厘差でゲーム差はゼロ。21日から本拠地で今季最後の直接対決2連戦に臨む。「恐らく(21日の先発)ピッチャーは大谷君でしょう。打ってないわけじゃないし、対策を取って勝てるように」。工藤監督はそう話した後、「この2試合で終わりじゃない。最後まで力を合わせていきたい」と結んだ。長いシーズンはいよいよ最後のヤマ場を迎える。