大谷“リアル二刀流”で決める!“禁じ手”に応え代打二塁打も日本ハムVお預け
「西武3-0日本ハム」(27日、西武プリンスドーム)
自軍の敗戦後、西武ドームの大型ビジョンに映し出されたソフトバンク戦を食い入るように見入った。しかし、祈りは通じず、優勝は持ち越し。その瞬間、日本ハム・大谷翔平投手は三塁ベンチを引き揚げた。
大一番でプロ初の先発前日の野手出場をこなした。七回2死一塁。ボルテージは最高潮に達した。五回終了後、28日の予告先発が告げられたばかりだったこともあり「代打・大谷」のアナウンスにスタンドがドッと沸いた。大歓声の中、岸の初球。内角直球を振り抜くと打球は深く守っていた左中間に落ち、大きく弾んだ。
一塁を回り一気に加速。二塁に滑り込むと、右拳を突き上げた。「(岸は)僕の打席の時にはちょっと疲れてた。しっかり打ててよかった」。
底知れぬ体力。この日は翌日の先発に備え、ブルペン入り。試合が始まると、初回から代打の準備をしていた二刀流。起用に応えたが、打線がつながらず今季9度目の完封負けとなった。
28日は3年連続2桁10勝を懸けた、今季最後の先発登板となる。投げ合う相手は花巻東高の先輩、菊池。昨年8月以来4度目の対決で過去3試合は2勝。中学時代から憧れを抱いていた左腕を相手に「あしたしっかり取って勝ちます」と力を込めた。
同時にリーグ制覇が懸かった大一番。栗山監督は「とにかく勝てばいい」とし、大谷にとって今季8度目のリアル二刀流になる可能性も十分にある。悲願の優勝は自力で決める。